信頼されるような人になるために

人との信頼

話し方をテーマにこのブログを読んでいる方も多いと思いますが、話し方が目指しているゴールの一つは、「信頼されるような人になる」ということだと思うのです。

人に自分のことをわかってもらうために、自分のことをいくら話したとしても、それは自分を表現することではありません。

相手との対話の中で、きちんとした会話を積み重ねていれば、自然に自分を正しく理解してもらうことになります。

最近は、必要最小限ことしか話さないという人も多いのですが、この場合は会話に遊びの部分がなくて、人間としての魅力が感じられなくなってしまいます。

たとえ仕事ができても(実際には自分で出来ていると思っているだけ)、人との会話を楽しむという部分がないと、自分を間違って理解されてしまう危険性があります。

そういう意味で、「何を話すか」という部分こそが信頼されるポイントです。

たぶん、話下手の人は、自分から話すというより、相手に聞かれたら話すという行動習慣を持っていると思います。

しかし、たまに自分から相手に何かを訪ねるような場合には、どういう手順で話して行けばいいのかが、よくわからないということになるわけです。

いきなり、本題だけを伝えても、相手はキョトンとして答えてくれません。

要は、本題に至るまでの導入部分の会話が必要になるわけです。

かといって、導入部分の会話が長すぎると相手が飽きてしまいますので、適当なころあいで本題に入っていく必要があります。

このような会話は、会社の上司と部下の間でも必要になると思いますし、人事で面接する場合の面接官と対象者の間でも必要になると思います。

話し方が苦手だと感じている人は、話すことに焦ってしまうために、言葉を発することができなくなるか、逆にまとまりのない言葉を発して誤解を与えてしまうのだと思います。

話す前に、一呼吸おいて、「そうですね~」といってからよく考えながら言葉を選んで話すということが必要なことだと思います。

普段の会話においても、言葉を選びながら話すということを心がけておくと、突然人前で話すことになっても同じように考えながら話すことが出来るようになります。

「話し方は行動習慣である」という言葉を覚えておいてください。

普段からの何気ない会話であっても、言葉を選びながら話す習慣をつければ、自分を正しく表現できるようになり、人から信頼されるようになると思います。

さらに、ここでもう一つのことを書いておきたいと思います。

自分がまとまりのない話し方をしているなあ~と考えている人は、「話し方」といっしょに「書き方」を見直してください。

たとえば、人が話した内容をメモ書きするときに、あなたはどのようなメモを取っているでしょうか。

「話を整理してまとめて書く」という行動習慣も、実はとても大切なことなのです。

人前でのスピーチをする場合は、自分の話したい内容をきちんと書いて、それに沿って話すということが求められます。

スピーチの機会なんてない!と言う人はなおさら「話を整理してまとめて書いておく」という習慣が必要です。

話すことと書くことは表裏一体です。どちらもトレーニングして鍛えていくことで、自分の強みになっていくと思います。

ヒューマン話し方教室 スタッフより

スティーブ・ジョブズのスピーチはなぜ人々を熱狂させたのか?

スティーブ・ジョブズがこの世を去ってから約4年半が過ぎました。

Appleの製品の生みの親として有名なスティーブ・ジョブズですが、実はAppleコンピュータの会社を設立した頃から、彼の話し方のうまさは誰にも負けないものがありました。

先日2013年に公開された映画「スティーブ・ジョブズ」を見る機会があって、若いころの彼の生き方、会社を大きくしていく頃の生き方、会社から追放された後、再びアップル再生のために戻って来た頃の生き方などが、鮮明に描かれている映像を見て、かくも強烈な生き方をした人であったかと改めて思いました。

彼の情熱は、何もないところから、世界で初めての何かを生み出すことに注がれて続けていたようです。

普通の人であれば、組織の中で自分を長らえるような生き方をしたと思いますが、ジョブズは、そういう生き方を望みませんでしたし、そのような生き方が出来ないほど、世界中の人がワクワクするような製品を作ることに、すべての力を注ぎ、それ以外のことを犠牲にしました。

そういう中で、新製品の発表を行うプレゼンこそが、ジョブズにとっての人生最高の頂点であったと思います。

プレゼンのための準備を周到に行い、聴衆を熱狂させることに命を懸けるような姿は、それまでの常識とは全く違いました。

恐らく、ジョブズは「プレゼンやスピーチ」というものの大切さを、世界中の人々に身を持って教えてくれていたのだと思います。

私たちは、プレゼンやスピーチをするときに、そのストーリーを考えると思います。そのストーリーは、最初からあるものではなく、私たちの頭の中で生み出されるものであるということです。

「どんなストーリーを描くのか?」「それを見て聞く人々の反応はどうだろう?」「このプレゼンやスピーチによって人々の意識をどう変えていくのか?」・・・

そういう自問自答の中でそのイメージを作り上げているのだと思います。

1つの製品を手にすることで、考え方や生き方までも変えられる・・・そういう製品を作ることがジョブズの永遠の夢だったのだろうと思います。

私たちは、ジョブズのようには到底なれないし、話し方も上手じゃないかもしれません。

しかし、自分が話すことで、まわりが変わっていくことをもっと信じて、生きてゆくことが大切なんじゃないかなと思います。

話し方は自己実現への道です。

私たちは人と話すことで生きていることを実感できます。

自分の話し方を見直すことで、人生をより豊かなものにする「鍵」がそこにあると思いませんか?

話し方教室は、そのために存在しています。

ヒューマン話し方教室 スタッフより

宇宙飛行士「山崎直子さん」の話し方がすばらしい

2016年3月4日放送の「アナザースカイ」に宇宙飛行士の山崎直子さんが登場しました。

日本人の女性としては、向井千秋さんに続いて2人目の宇宙飛行士として2010年4月にスペースシャトルで宇宙に行った女性です。

山崎直子さんは、スペースシャトルで宇宙に飛び立ち、その後国際宇宙ステーションとドッキングして、ちょうど国際宇宙ステーションで作業中の野口聡一さんとそこで出会うというすばらしい体験もされたそうです。

山崎さんは、船内活動だけでなく、ロボットアームを操り船外活動もするエンジニアとして活躍され、日本との交信では着物を着て、琴で「さくらさくら」を演奏する光景が有名ですね。

山崎さんの話す言葉を聞いていると、自然に「自分も宇宙に行ってみたい」と思うようになりました。

お話もとても上手で、切れ目なく、正確な表現で、しっかりと話す姿に、山崎さんの宇宙にかけてきた思いがストレートに伝わってきました。

山崎さんが宇宙飛行士として訓練を始めてから任命されるまで9年、それから2年間は宇宙飛行士のサポート業務をして、11年後にやっと本番を迎えられたということのようです。

始めて宇宙を見たときの光景は、私たちが映像で見るレベルとは全く異なり、真っ黒な宇宙と青い地球の姿は、見ていて全く飽きることがないほどすばらしいものだったようです。

11年間の訓練で宇宙に15日間ということで、宇宙の1日のために地球で1年間をすごしてきたような感じだったし、多くの周りの人のサポートを受けながらミッションを成功させたことが何よりもよかったと思えたそうです。

そして、何よりも印象的だったのは、生きて地球に帰ってきたときに、

「紙一枚を持ち上げるのも重いということで、これだけ重力ってすごいんだな」

「地球に戻って風がフワッと吹いてきて、草木の香りが漂ってきて本当にいいなと思ったんです」

「普段見慣れている当たり前の景色が当たり前じゃない。すごくありがたい。」

と考えさせられたそうです。

宇宙飛行士は、宇宙に行って感動するだけでなく、地球に戻ってきてもう1度感動するんだと初めて知りました。

私たちが生きている時代に、外国旅行をするように宇宙旅行ができるような時代になるかもしれませんね。

ヒューマン話し方教室 スタッフより