優れたプレゼンには型があるらしい

これは、「ザ・プレゼンテーション」の著者であるナンシー・デュアルテさんの動画です。

彼女は、アメリカでは有名なプレゼンのプロであり、プレゼンの組み立て方についてのアドバイスをしています。

この動画を見てまず思うのは、話というのは1本調子なものでは聴衆に受け入れてもらえないものだということです。

私たちのまわりにも、同じトーンで、同じ繰り返しで、結論もなく、長々と話す人がいると思いますが、そういう時にあなたが考えることは、この話はいつ終わるのだろうということだけです。

スピーチやプレゼンにおいても、時系列的に「まずはこれをして、次にこれをして、最後にこれをした」というような話は、事実を述べている点は正しいのですが、そこに全く光るものがない話になってしまいます。

動画の中で、「ジグザグに進む」といったことや、「現在と未来と交互に行き来する」といった部分は、ビジネスの中で人と交渉する場合や、人を説得するような場合に、とても参考になるのではないかと思いました。

スティーブ・ジョブズ氏のプレゼンの中で、過去の写真と未来の写真を出して聴衆を笑わせるようなくだりがよくありましたが、そのようなことも聴衆を少しずつ引付けながら、次の未来を想像させていくという手法なのだと分析できます。

話し方は、単なる事実を話すのではなく、そこに聴衆を引き付けるためのスパイスを必要としています。

これは、料理番組にも通じるところがあるかもしません。

たとえば、「キャベツを刻んで皿に盛る」といった行為を説明するのに、

山形県で農業をやっていた山本さんという人が、代々続いている畑でキャベツを作っていましたが、天候の不順で出来不出来が左右されるキャベツの栽培を何とか克服しようと考えました。そこで、地元の仲間と廃校になった小学校の中を改造して野菜工場を作ることを考え、3年の歳月を経てなんとか軌道に乗せ、昨日最初のキャベツが出荷されました。

ここにあるキャベツは、その最初のキャベツなのですが、これまでのハウスで作ったキャベツと比べてその味はどうなのでしょうか?もちろん、通常のキャベツよりも高いコストがかかってはいますが、天候に左右されず、農薬などもほとんど使っていないということで、安定した価格で供給できるキャベツとして普及していくように思います。

このキャベツの名前は、野菜工場になった小学校の名称が「七郎丸小学校」だったことから、「七郎丸キャベツ」として今店頭に並んでいます。

最近、ラグビーのワールドカップで活躍した五郎丸選手の人気にあやかってのことではないのですが、今度地元の町では、キャベツをラグビーボールにしたキャベツラグビーが実施されるそうです。

というような話は「虚構の話」なのですが、1つのキャベツをめぐって過去から未来への話がつながっていく物語こそが、人の記憶に残っていく話だということをわかっていただきたいと思うのです。

ヒューマン話し方教室では、日々のトレーニングである「トークジム」を通して、何度も実践的にスピーチをすることで、短時間の話であっても人の心に残るような話し方がだんだんできるようになってきます。

また、ビジネス特訓集中講座やビジネススピーチ特訓講座という1日レッスン講座では、自分の話す姿や声を録画・録音することで、話の内容だけでなく、見る人に与える印象がどのようにすればよくなるのかという点について集中的にトレーニングすることができます。

「話し方が変われば、人生が変わります」

是非、皆さんもチャレンジしてみてください。

ヒューマン話し方教室 スタッフより

朝礼のスピーチが死ぬほどいやだと感じている人へ

なぜ、日本には朝礼というものがあるのだろうと思いませんか?

単なる業務の報告や仕事内容の確認という意味であれば納得はできても、スタッフが交代で朝礼でスピーチするというのは、どうみても日本ならではの習慣のような気がします。

もちろん、管理職ともなれば社員の統率や働く意欲を高めるという意味で、ある程度の「話」をしなければならないことも多いと思います。

しかし、昨今の日本の会社では、一般のスタッフが持ち回りで朝礼のスピーチを担当するという習慣が根付いているように思います。

そして、朝礼スピーチがあることで、会社に行きたくないと考える人も少ないないようです。

日本では、小学校から就職するまでに人前に立って話すという教育を全く受けていません。ですから、自己紹介くらいはできても、人に影響力のあるような話を人前でするなんて到底できないという人が多いのです。

特に、最近のスマホ世代の若者たちは、情報を集めることはあっという間にできたとしても、その情報を自分の言葉として発信して、多くの人に伝えるということは、苦手ではないでしょうか?

いや、スマホ世代だけではなく、中堅社員もそうだし、ベテラン社員であっても、そういう訓練を受けていない人は多いように思います。

そういうことから、会社では朝礼でのスピーチをスタッフレベルの社員に経験させることで、これからのリーダーとしての自覚と経験を身に着けてほしいと考えているように思われます。

しかし、当の本人にとっては、人前で話すことは恥ずかしいし、話す話題もないということで、しどろもどろになり、逆に恥をかいてしまい自信をなくしてしまう人が多いのです。

この傾向は管理職の男性だけではなく、最近増えている女性のリーダーやグループスタッフにとっても切実な問題となってきています。

つまり、朝礼で堂々と話ができることが、会社で生き残っていくために避けては通れない道になってきているのです。

しかし、自分の順番が回ってくると、ドキドキしたり精神的に追い詰められたりして、朝礼のある日には会社に行きたくないという人も多いのではないでしょうか。

実は、小学校以来習ったことがない「話し方の極意」を教えているのが「話し方教室」なのです。

その「極意」を習得するためには、頭ではなく体で話し方を覚えていくトレーニングをすることが一番大切なのです。

「話し方なんて、なんとかなるだろう」と考えている人も多いと思いますが、実はとても奥が深く、人が人に対して何かを伝えるということはとても大変なことなのです。

今の時代、苦手という人だけでなく、もっと話し方を追求したいという人も「話し方教室」を受講しているのです。

ヒューマン話し方教室の前身のヒューマンゼミナールの創始者である故捨田利裕先生は、「話し方はチャレンジレッスン」ということを言われていました。

私たちは、小学校以来、話し方を科目として学んだことは一度もないのです。ですから、最初から才能があるとか、ないとか、そういうものではなく、一から学ぶ機会を得ることが大切なのです。

自己流ではなく、きちんとしたトレーニングを受けることで話し方は飛躍的に上達していきます。話し方が変われば、あなたの人生も好転していくのです。

ですから、恥ずかしがらずに、基礎のトレーニングから始めてみてください。段階的に継続して続けていくと、ある時期から、自分の中に話し方の正しい作法が身についてくるはずです。

ただし、少しのトレーニングをすることで、頭でわかった気になる人も多いのですが、それでは本当の話し方の本質に到達はできません。たとえば、体験レッスンだけ受けてわかったような気になる人がそのような人です。

話し方はテクニックではなく、「人に伝える」という形のないものを体得する修行みたいなものなのです。

それは、ひいては自分を深みのある人間に成長させることができますし、それにより周りの多くの人を幸せにすることもできるのです。

そういう話し方の基礎を是非多くの人に学んでいただきたいと思っています。

ヒューマン話し方教室 スタッフより

ホリエモンのスピーチで話の組み立てを学ぼう!

まずは、以下の動画を見てください

これは、近畿大学の卒業式でのホリエモンのスピーチです。

まず、気づくことはホリエモンの恰好です。卒業式の来賓といえば、黒いスーツに胸にリボンをつけている姿を想像しますが、Tシャツに青いジャケットという出で立ちです。

原稿も全く見ないで話す姿は、さすがにホリエモンだなあと思いました。

それでは、この話の内容について振り返ってみたいと思います。

話しの内容の振り返り

(1)レールの人生から脱却して、今からやることは何か?

  • みなさん、おはようございます。
  • レールの上を走ってきた人生はこれで終わりです。
  • 卒業→就職→結婚→家族→家を建てる→定年→退職なんていう普通の人生は歩めない。
  • インターネットとグローバル化の中で社会のしくみは知らないうちに大きく変わっている
  • だから、できるだけ自分で情報に触れ、ブログやSNSで発信することが大切
  • ブログやSNSは自分の頭で考え、発信していく「くせ」をつけることができる。

(2)アタリマエの時代は終わった。

  • 権威がアタリマエでない時代になる。
  • 権威、マスコミ、会社の上司が言っていることに従えばいいという時代はとうに終わっている。
  • これらのことはすべてグローバル化がもたらしたこと。
  • 日本は戦後豊かになったが、その昔貧しかった時代のことを知らない人が多い。
  • この豊かな日本がアタリマエだった時代はすでに終わっている。

(3)グローバル時代への危機感を持て!

  • 先日北海道でタイ式マッサージを受けたが、その料金は5000円だった。
  • 一方、タイの本場で受けたマッサージの料金はチップも含めて2500円だった。
  • その差は、たった2倍。東南アジアの経済発展は急速に進んでいる。
  • 東南アジアには富裕層がゴロゴロいる。
  • そういう時代に突入しているという危機感を持っている人が少なすぎる。
  • アフリカの奥地に携帯電話の基地局を立て、中国の安い携帯が普及している。
  • これまで未開発の地域に住んでいた人たちが、スマホで世界最高峰の知に触れることができる。
  • これからは、そういう人たちと同じ土俵で生きていくことになる。
  • そして、努力をしない人は取り残されてくる世の中になる。

(4)常識に縛られてはいけない。

  • これまで生きてきたようにレールの上を走り、まわりの目を気にしていればいいという時代は終わった。
  • 入った会社だって、つぶれるかもしれないし、合併されるかもしれない。
  • 人間関係・家族制度・道徳・倫理・常識などは変わってゆく。
  • 情報を収集して、常識にしばられないことが大切だ。

(5)チャレンジをすることを恐れるな。

  • でも、未来は悲観することはない。
  • 私もジェットコースターのような人生を送ってきたが、悪いことはすべて忘れるようにしている。
  • 過去を悔やんでもいいことはない。
  • チャレンジすれば失敗はあるかもしれないが、成功することもある。
  • チャレンジしなければ、失敗することもなりが、決して成功することはない。
  • もし失敗したときは、再発防止策を練って、酒を飲んで寝て、忘れることが大切。
  • そして次なるチャレンジがうまくいくと思いこむことです。

(6)未来はわからない。今に集中して生きろ!

  • グローバル社会になって、道なき道を歩むようになる。
  • 年金がもらえるだろうかと今から考えても、未来は思うようにはならない。
  • だから、僕は老後のことなんか考えない。老後になってから考えればいい。
  • 人間は、5年先でも予測なんてできない。
  • 10年前に、歩きスマホして、ラインをしている姿を想像することができただろうか。
  • 未来のことなんか心配しても意味がない。過去を悔やんでいる暇もない。
  • 今を一生懸命に生きるしかない。
  • 楽しく生きるためには、今を集中していきればいい。
  • 目先のことに集中すること。まずはそれをやってください。

(7)贈る言葉

  • 最後に贈る言葉をいいます。
  • 未来を恐れず、過去に執着せず、今を生きろ。
  • ありがとうございました。

——————-

話しの組み立て

最初に導入部分で、レールに乗った人生が終わり、新たな人生のステージに立っていることを述べています。今からやらなければならないことは
「インターネットで情報を収集し、自分の頭で考えられるようブログやSNSで情報発信をしなさい」
と、具体的な結論を述べるともに、これを布石として、次の話にその理由を探させています。

次に、権威に頼るアタリマエの時代と豊かだった日本が終わるということを述べ、さらに、自分の経験という具体例を述べながら、グローバル時代の登場により、世界や東南アジアの状況が大きく変わってきて、努力しなければ取り残されていくという危機感を伝えています。

さらに、今まで信じていた常識が変わってゆく時代が来るので、変化する時代に対応するためには、今までの常識に縛られてはいけないと強調しています。

そして、ここまで述べてきた流れを大きく変える言葉が出てくるのです。

それは、「でも、未来は悲観することはない」という一言です。

自分の経験を述べながら、チャレンジして失敗しても大丈夫という安心感と、未来なんかわからないんだから、過去に何があっても、今を一生懸命に生きればいいんだと訴えています。
そして、今を集中して生きることこそが大切なんだと話をまとめに導いています。

最後に、象徴的な贈る言葉として、
「未来を恐れず、過去に執着せず、今を生きろ」
という言葉で、スピーチを閉めています。

起承転結のルール

話の流れのほとんどは、「起承転結」で必ずできています。

結論は、以外と単純なことなのだが、その前ふりこそが、スピーチの良し悪しを決めているのです。

1つの言葉の重みをより重くし、深みをより深くするために、身近な具体例をあげながら、話をすすめていく必要があります。

大切なのは、「転」のところです。

ほとんどの話で「転」には「救い」があります。物事が好転するというキッカケが「転」なのです。

「結」を導くための「起承転」なのです。

こういう話の組みたては、原稿もなしに作ることは不可能です。

何度も話の流れを考えていく中で、最もしっくりとくる流れに仕上げていく作業があります。

十分に練られたスピーチは、人々の心に残り、語り継がれます。

決して簡単なスピーチであっても、自分を表現する場なのです。

そういう意味で、ホリエモンのスピーチは十分に練られているスピーチだと思います。

ヒューマン話し方教室 スタッフより

ビジネススピーチ特訓講座

「風と共に去りぬ」~スカーレット・オハラの生き方

風と共に去りぬ

皆さんは、「風と共に去りぬ」という映画を見たことがありますか?

私は小学校の時にこの映画を見て、スカーレット・オハラが赤土の大地に立ち、夕日を見ているという光景しか記憶に残っていませんでした。

今年の5月に「風と共に去りぬ」の新訳版が新潮文庫から発売され、今まで忘れかけていた記憶を取り戻そうと思い、この本を読むことにしました。

以前ブログでも書いた「ハリエット・B・ストーという女性を知っていますか?」の中で書いたように、1860年代のアメリカは南北戦争の時代にありました。

ストー夫人はアメリカの北部の人として、黒人の解放運動を行った人ですが、一方、「風と共に去りぬ」の主人公の「スカーレット・オハラ」は南部のジョージア州で生まれ、同じように南北戦争を経験した女性です。

この本を書いたマーガレット・ミッチェルは、第2次世界大戦がはじまる直前の1936年(昭和11年)にこの本を発表しました。この本はあっという間に全世界で翻訳され、大変な人気になりました。そして3年後の1939年(昭和14年)に映画化され、あの有名な「風と共に去りぬ」という映画ができたのです。

日本との戦争が始まる1941年の2年前に生まれた映画ですが、その後の戦争をはさんで、映画は全世界に広まり、その興行収入はいまだに世界一をキープしているそうです。

マーガレット・ミッチェルは、ジョージア州のアトランタで生まれており、まさにそのアトランタが「風と共に去りぬ」の舞台なのです。映画では、焼け落ちるビルの中をスカーレット・オハラとレット・バトラーが馬車で通り抜けるシーンが鬼気迫る映像として描かれています。

この「風と共に去りぬ」の文庫本は全5巻あり、相当の読み応えがあります。その内容は映画とは異なることも多いので、映画を見た方も十分楽しめる本になっていると思います。

主人公のスカーレット・オハラは、綿栽培で成功し大金持ちになったお父さんと、貴族の家柄で敬虔なキリスト教徒であり、人のために尽くすお母さんの間に長女として生まれました。

子供の頃は全く苦労もなく、その美貌から男性にもてまくっていたのですが、南北戦争というアメリカを二分する戦争の中で、恐怖や貧しさと戦いながら、たくましく貪欲に生きていく女性に変わっていきます。

お金と愛と希望を求めて生きるスカーレットの生きざまは、決して清廉な生き方ではありませんが、どんな苦境の中でも負けない強さは、読者に勇気を与えてくれているように思います。

南北戦争というと、リンカーン大統領が黒人の解放を掲げて戦った正義の戦争というイメージが私たちには強いのですが、それはアメリカの一面であり、南部の農業地帯に脈々と流れる開拓精神や人と人のつながりを大切にする文化、そして伝統や宗教的な価値観を持つ人々が、南部の文化を守るために戦った戦争であったことも忘れてはいけないとこの本は伝えているように思いました。

人は生まれながらに自分のアイデンティティを無意識に意識し、その流れに沿って生きているように思います。自分が生きるアイデンティティとはどこにあるのか?自分の元気はどこから来るのか?自分の運命を嘆くのではなく、その根本にある力の源を知れば、明日には必ず希望が待っている。

そういうテーマをこの本は教えてくれるような気がしました。

興味のある方は、是非本を読んでみてください。

————————————

ヒューマン話し方教室には、「アイデンティティトレーニング」というすばらしいトレーニングがあります。自分が悩んでいる問題の根本を見つめることはとても勇気のいることかもしれませんが、人生では必ず1度は通らなければならない関門の1つだと思います。

そういう意味で、若い人にぜひおすすめしたいトレーニングです。

ヒューマン話し方教室 スタッフより

人前であがらないための脳の作り方とは?

CPUと脳

皆さんはスーパーコンピュータ(スパコン)をご存知でしょうか?

世界ではスパコンの速度を競争して、毎年ランキングが変わっているという話をききます。国家予算レベルのお金をつぎ込んで、1番だ!2番だ!とやっているだけと思っている方も多いかと思います。

コンピュータは演算を行う中心部にあるCPU(中央演算装置)というものの性能が高ければ高いほど速く計算することができます。

しかし、今から10年ほど前くらいから、1つのCPUの性能を高めることに限界が見えてきました。そこで、スパコン業界では、CPUに変わってGPU(Graphics Processing Unit)を演算のコアにできないかと考えるようになりました。

GPUというのは、元々は画面の表示にかかわるビデオボードというものに使われていたチップです。CPUと異なり、同時並行で処理を行うという特徴があり、大量の情報を並行して処理することを目的に作られたものでした。

それまでのCPUでは、ヘルツ数と言われる計算時間の単位を上げることと、1度に処理する情報の量(ビット数)を大きくすることで高速化を行っていました。

これに対してGPUの場合は、仕事を別々に分担して行うことで、全体として効率化を行い、全体としての速度を上げていくという方式をとっています。

CPUは簡単に言えば、一人の優秀な天才が仕事をやっているという状態ですが、GPUの方は、平社員が仕事を分担してグループで仕事をやっているとういうような状態です。

CPUは速度は速いのですが、大量の電気を使います。また大量の熱がでますので、それを冷却しなければなりません。

GPUは、CPUほどの電力を必要とせず、大量の熱も出ないという点で、スパコンに限らず、最近のパソコンの技術に応用されてきています。

名前は、CPUという名前ですが、最近のパソコンのCPUではCore i3とかCorei5とかいう名前を聞いたことがあるかと思います。

これは、1つのCPUの中に、計算をつかさどる何個かのチップが並列で存在し、仕事を分担して働いているというCPUなのです。

私は長年パソコン業界の中で働いてきたのですが、コンピュータの中の感覚と、人間の脳の中の感覚というものは、以外と似ていると感じることがあります。

あがりを解消するたとえば、突然使命されて、人前に出て話すことになった人は、心拍数があがり、気持ちが焦って、頭が真っ白になり、言葉が出てこないという状態になります。

特に、日頃からパソコンの前だけで仕事をしている人は、人と話すことも少ないでしょうし、人前で話すことは非日常だと思います。

私自身も恥ずかしい思い出がたくさんあります。

この状態は、コンピュータで言えば、フリーズの一つ手前の状態で、多くの仕事をすぐに処理することを要求されて、何から手をつけていいのかに迷ってしまっているという状態に似ています。

コンピュータでは、多くの仕事でCPUに負荷がかかると、CPUの温度が70℃以上にあがります。実は70℃以上に温度があがると、CPUの処理能力は極端に低速化してしまうということになるのです。

人間でも、人前に突然立って、気の利いたことを話さなければと思えば思うほど、体温が上がり、汗が出て、脳がパニックに陥り、処理能力が低下して、言葉が出てこないという現象が生じているように思うのです。

このような「あがり」のメカニズムは、誰にでもあると思いますが、それを回避する方法はあるのでしょうか?

その唯一の方法は、コンピュータの解決方法と同じです。熱くなったCPUを冷やすということで、本来の処理スピードが出てきます。

あなたの「あがり」の状態を冷やせば、あなたの脳は正常な状態に戻ってくると思います。

それでは、どうしたら「あがり」を冷却できるのでしょうか?

単に頭を扇風機で冷やすという方法(?)もあるでしょうが、人間の脳の場合はその方法がいくぶん違っています。

それは、「あがり」に溜まっている仕事量を他の回路に流すという作業です。

人間の脳の場合は、自分が考えている事に応じて、脳のネットワークから必要な情報を得られるという記憶のメカニズムになっています。

ですから、「あがっている自分」というものへの恥ずかしさが脳の中心にあると、本来の話の内容は入ってこなくなるのです。

ですから、肩の力を抜いて、深呼吸して、まわりを見渡して、「あがっている自分に向かっている意識」を解放してやることが大切です。

ある意味で「開き直る」という行動こそが、「あがる」自分を解放する一番の方法なのです。

かっこよく話そうとか、いい話をしようとか考えないで、自分の原点を考えながら話していけば、意外とうまくいくものです。

ヒューマン話し方教室の「トークジム」では、何度も人前で話すトレーニングを行うことで、あがった自分を解消して、落ち着いて話せるようになります。

場数を何度も経験すると、「あがり」を解消する回路が自然とできてきて、話の内容に集中して話すことができるようになります。

あがりを解消する一方で、話の内容がまとまっていないことで、「あがる」ことがあります。

原稿は用意していたとしても、スピーチの練習を全くしていないと、あがってしまうこともあります。

ですから、あらかじめ準備ができるようなスピーチの場合は、完全なスピーチ原稿を用意して、何度も練習することが必要です。

最初は、スピーチ原稿をどのように書けばいいのかがわからない場合もあると思いますし、原稿を持っていても話が長すぎたり、短すぎたりして時間調整ができないこともあると思います。

原稿を書く→ スピーチ→ 問題のチェック→ 原稿を修正→ スピーチ

というようなサイクルを回していくことで、いいスピーチ原稿を書くことができるようになります。

ヒューマン話し方教室では、オープン講座として、この原稿の書き方やスピーチのしかたをトレーニングすることができる「ビジネススピーチ特訓講座」を今月(10月25日)に開催する予定です。

スピーチ原稿を作るトレーニングをすることで、脳の中で話を組み立てる回路が次第に出来てきて、咄嗟にふられるスピーチにも対応できるようになります。

つまり、「話し方を鍛える」ことは、「脳を鍛える」ことに通じます。

是非、あなたも「ヒューマン話し方教室」の門を叩いてみてください。

まずは、「話力チェック&アドバイス」でご相談ください。

ヒューマン話し方教室 スタッフより