「歌会始」をテレビで初めて見ました

昨日、NHKで「歌会始」(うたかいはじめ)の様子が放送されていました。

何気なくテレビをつけていると、何やら厳かな中で皇室の方々と一般の方々が向い合せに座られており、その中心にテーブルに、司会の方と5人くらいの人が座られました。

5人の中の1人が、今回入選された歌を詠むのですが、57577の句の詠み方が普通とは違って、1つの句の最後の音をすごく長く伸ばして、最後をちょっと上げるみたいな感じの詠み方をするのです。

その1人が詠みおわると、残りの4人がまるでコーラスを歌っているかのように、華やかにその歌を歌います。(これを何と表現するのかは難しいのですが)

私達が考える57577の歌の詠み方とは違って、昔ながらの歌会というものは、このようなものだったのかと初めて知り、なんとゆったりした時間なのだろうとびっくりしました。

NHKの解説の方が、詠んだ歌の作者と、その内容について説明してくれるので、歌の背景が理解できて、以外にも面白かったです。

今年の歌会のテーマは、「本」ということでした。この場合、書籍としての本を思い浮かべますが、このルールでは、歌のどこかに「本」という字が入って入ればいいということのようでした。

一番最年少の15歳の小林さんの歌が最初に紹介されました。

今日の新聞にも歌会始の歌が紹介されていましたので、いくつかを紹介させていただきます。

—————————

夕やみのせまる田に入り稔りたる稲の根本に鎌をあてがう

天皇陛下

来し方に本とふ文の林ありてその下陰に幾度いこひし

皇后陛下

—————————

山あひの紅葉深まる学び舎に本読み聞かす声はさやけし

皇太子さま

恩師より贈られし本ひもとけば若き学びの日々のなつかし

皇太子妃雅子さま

弟に本読み聞かせゐたる夜は旅する母を思ひてねむる

秋篠宮家次女佳子さま

来客の知らせ来たりてゆつくりと読みさしの本に栞入れたり

高円宮妃久子さま

—————————

おさがりの本を持つ子はもたぬ子に見せて戦後の授業はじまる

新潟県 吉楽さん(77)

大雪を片寄せ片寄せ一本の道を開けたり世と繋がりぬ

長野県 木下さん(72)

「あったよねこの本うちに」流された家の子が言ふ移動図書館

千葉県 平井さん(59)

二人して荷解き終へた新居には同じ二冊が並ぶ本棚

茨城県 五十嵐さん(57)

この本に全てがつまつてるわけぢやないだから私が続きを生きる

神奈川県 小林さん(15)

—————————
以上、いかがでしょうか。

ヒューマン話し方教室 スタッフより