原田マハさんの小説の中にあるもの

昨年暮れから今年の初めにかけて、原田マハさんの小説を読む機会がありました。

原田マハさんの名前の「マハ」はもちろんペンネームですが、浜田(ハマダ)さんだったかな~と名前を間違えそうになります。

たまたま書店で、30万分突破という本の帯につられて買ったのが、「本日は、お日柄もよく」という本でした。

「本日は、お日柄もよく」

原田マハ 本日は、お日柄もよく

この本の始まりは、主人公が友達の結婚式に参加して、あまりにも退屈な会社の社長のスピーチで、眠気が襲ってきて、スープの皿の中に顔を突っ込んでしまうというお話から始まっています。

ところがその後で、スピーチに立った見知らぬ女性のスピーチに引き込まれてしまうのです。

いったいスピーチとは何のか?人が感動するスピーチとはどうやって生まれてくるのか?

そういう疑問をもちながら、どんどんと読み進めることができる本です。

そして、人間の本当の強さとは、言葉の力とは、スピーチの極意とは?

といった本質的なことを教えてくれる本でもあります。

話し方教室のスタッフということもあって興味がわいた本でしたが、伝わる言葉を生み出すことと、その言葉を声として伝えることは、永遠のテーマだなあと感じました。

 

「生きるぼくら」

「本日は、お日柄もよく」を読み終えた頃、新橋の本屋さんで見つけたのが「生きるぼくら」でした。

原田マハ 生きるぼくら

この本の主人公は、ひきこもりです。学校でいじめにあって苦しんでいた主人公が、母にもその苦しみを伝えることなしに、学校を中退して社会に出て働こうとしますが、うまく行かずについには引きこもってしまったという状態です。

母は、朝から夜遅くまで働いていましたが、引きこもりの息子を抱える中で疲れ、とうとうアパートから出て行ってしまいます。

そこで、引きこもっていた主人公は、必死で行動を始めます。

現代社会の「ひきこもり」「母子家庭」「離婚」「痴呆」「介護」「就職難」などの大きな問題とりあげながら、人間の本質的に持っている強さをテーマにした、感動の物語です。

日本人の持つ昔からの人のつながりや、食文化のすばらしさなども散りばめられて、人生で一番大切なことを教えてくれる本だと思いました。

 

原田マハさんの本の根底に流れるもの

原田マハさんの本は、まだこの二冊しか読んでいないのですが、2つの本に共通して感じるのは、「人間は強く生きる力を持っている」ということです。

最初は、だれでも未熟であり、間違いもするけど、人と関わる生き方をする中で、少しずつ成長していくものなんだろうなということを感じさせてくれました。

もし、書店で目にしたら、ぜひ買ってよんでほしい本です。

 

ヒューマン話し方教室 スタッフより