アメリカの2人の大統領候補のディベートを見て感じること

2016年11月9日、本日アメリカ大統領選挙の結果が出て、ドナルド・トランプ氏が大統領の選挙に勝利しました。

マスコミの予想に反して、トランプさんが最後の最後に僅差での逆転で当選しました。アメリカ国民の全体の投票数もトランプさんの方が多かったので、民意を反映した結果になったようです。

アメリカの大統領選は、民主党と共和党それぞれの代表選がまずあり、その代表どうしが最終的に戦うという構図になっています。

今回ご紹介するのは、その最終戦として行われた大統領候補のディベートです。

9月から10月にかけて、ディベートは全部で3回行われ、すべてテレビ中継され、アメリカ国民から、大統領にふさわしいスピーチができるかどうかが試されることになります。

ディベート好きのアメリカでは、相手と議論を戦わせて勝てるような話ができるかどうかということを大統領の資質として評価しているようです。

英語が理解できない方も多いと思いますが、2人の大統領候補の手振りや身振り、顔の表情に注目してみていただくと、ヒラリーさんとトランプさんの違いがわかると思います。

 

1回目のディベート(2016/9/26、Hofstra University)
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2回目のディベート(2016/10/9、Washington University)
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3回目のディベート(2016/10/19、the University of Nevada)
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この3つのディベートの中で、話し方として参考になるのは、マイクを手に持って話している2回目のディベートの姿だと思います。

面白いのは、それぞれの候補者の話し方の手振りです。

ヒラリーさんは、主に右手にマイクを持って、左手を大きく開いたり、上下したりしています。また、たまにマイクを左手に持ち替えて、右手を大きく前に開くぽーすをとったりしています。

そして、ヒラリーさんは、マイクを手全体で持っています。

一方、トランプさんは、主に左手にマイクを持ち、右手でポーズをとります。特にトランプさんの演説などでのポーズは右手の親指と人差し指の先をつなげて(日本ではお金をあらわすポーズ)、その手を上下に揺らすという特徴的な動きをします。

これは、お金持ちのトランプさんならではのポーズかもしれませんね。(笑)

そして、トランプさんのマイクの持ち方は2本指で持つという形です。

個人的に感じるのは、トランプさんは、暴言王とマスコミには言われていますが、話し方の姿は、どちらかというと女性ぽい感じを受けます。

逆にヒラリーさんの話し方の姿はとても男性的な感じを受けます。

ヒラリーさんの声はお腹から出ている感じのとても太い音として聞こえますが、それに比べるとトランプさんの声は、ちょっと薄い感じのハスキーな声に聞こえます。

話し方としては、どちらも個性的な感じがします。

 


ここで知っておくべきなのは、ディベートにはルールがあるということです。

1.あらかじめ決められたテーマがあります。

2.まず、それぞれがテーマに対する主張を述べます。

3.お互いの主張に対する反論を述べて戦います。

4.必ず交互に主張や反論を述べ、その話す時間は決まっています。

5.本来はジャッジがいて優劣を決めるのですが、この場合は視聴者がジャッジをすることになります。

私達には馴染みがないディベートですが、1つのテーマから外れずに話したり、相手の主張を理解して、そこに論理的に反論するなど、一方的に話すということではないので、かなりの経験が必要です。

単なる口喧嘩や、ディスカッション、説得などとは全く違うものです。

日頃から、ニュースや話題に触れ、賛成の考え方と反対の考え方をよく理解しておくことが大切だと思います。

ヒューマン話し方教室 スタッフより