話し方を勉強するなんていうと、そんなこと勉強する必要ないよ!という人もいるかもしれません。
日本に生まれて育った人は、日本語が話せないわけではないし、話し方なんて知らなくても生きていけると思っている人も多いと思うのです。
仕事上でいつも人前で話すという機会がない人にとっては、その人の人生の中で話し方を訓練するという機会はほとんどないと思うのです。
私も会社員の頃は、社内の報告会等で話すことはあっても大勢の人々の前で話すことはそれほど多くありませんでした。
しかし、ある程度の年齢になると、朝礼で話をしたり、会議の司会をしたりということが増えてきて、そういうことが苦手でうまくできないということでストレスになったこともありました。
私が話し方教室に出会ったのは、今から8年ほど前のことです。
といっても直接話し方教室の門を叩いたというわけではないのです。
私は10年ほど前から、パソコン教室を運営しており、ホームページ制作なども行っていました。インターネットのホームページを見て、話し方教室のスタッフの方が、「自社のホームページを作っていただけないでしょうか?」と訪ねてきたのです。
世の中に「話し方教室」というものがあるのを知ったのは、それが初めてでした。
その話し方教室は、当時横浜にあった「ヒューマンゼミナール」という会社で、社長は捨田利裕さんという方でした。
社長であり、話し方トレーナーであった捨田利先生は、とても気さくな方で、ホームページを作るにあたって話し方教室の概要について何度も話してくださいました。
捨田利先生が言うには、
「日本では小学校、中学校、高校、大学という教育の中で、話し方を授業で教わるということはまずありません。ですから、自分がうまく話せなくてもあたりまえなのです。しかし、就職面接や会社の中での発表や結婚式でのスピーチなど、大人になるにつれて人前で話す機会がだんだんと増えてくるものです。話し方が苦手と思っている方は、話さなければならない日が近づくにつれて不安になったり眠れなかったりすることもあるようです。そのような方は、話し方に関するいろんな本を読んだりして勉強してはいますが、頭で話し方を覚えても、実践で話せるようになるとは限りません。そのような方のために話し方教室で実践的に話し方をトレーニングすることが大切なのです。」
というような主旨のことを話していただきました。
このホームページ制作をキッカケとして、これまで8年間近く捨田利先生とお付き合いをしてきましたが、今年2014年5月に捨田利先生はガンのために亡くなられ、82歳の生涯を終えられました。
ヒューマンゼミナール話し方教室は、現在「ヒューマン話し方教室」に名前を変え、新しい会社組織になりましたが、捨田利先生の遺志を受け継ぎ、日々多くの受講生の方が学ばれています。
このブログでは、私が捨田利先生と話す中で感じたことや、私の仕事であるパソコン教室やホームページ制作などを通して感じている「話し方の本質とは何か」という点について日々書いていきたいと思います。