テレビ討論は何がイライラの原因をつくるのか?

田原総一郎

皆さんは、テレビで討論番組を見ることはありますか?

討論番組ではありませんが、NHKの「国会中継」などもその部類です。

その他には、田原総一郎さんが司会をする「朝まで生テレビ」や、北野たけしさんが司会する「TVタックル」などが有名なところです。

テレビを見ていると、出演者どうしがヒートアップして、人の意見を聞かずに一方的に発言し続けるという事態になってしまうことがよくあります。

そうなってしまうと、議論というより喧嘩のようにみえてしまい、相手を攻撃したり、相手の人格までも否定したりするような発言にうんざりしてしまうことがあります。

国会中継においても、始めから根本的に意見が違う政治家どうしが、いくら議論を重ねても、いい結論になるような気がしないので、すぐにテレビのスイッチを切ってしまいます。

何かに反対したり、何かを推し進めようする議論を聞いて、テレビを見ている視聴者がどう感じているかという点については、正直なところ「どっちもどっち」という感じがして、なんでこんな不毛な議論を長々とやっているんだというイライラがつのることもたまにあります。

個人的には、田原総一郎さんがとても好きで、司会者として議論を深めるように論者を一方的に指名してテンポよく議題を進めていく姿にいつも感心しています。

議論というのは、最初から結論ありきでは全く面白くありません。

議論する中で、いろんな立場の意見を公平に聞くことで、何が問題で、それを解決するためには、何が必要なのかという点が、具体的になったときに、新たなものの見方ができるようになり、正しい選択ができるようになるのだと思います。

よく言われる言葉に、「議論が深まった」という言葉があります。

これは、自分の意見の真意が相手に伝わり、相手の意見の真意が十分に理解でき、意見の違いを越えて問題点が見えてきたということだと思います。

議論した時間の長さではなく、まわりのしがらみや固定観念から抜け出して、ゼロから考える発想法が大切なのだと思います。

ヒューマン話し方教室 スタッフより