「アルジャーノンに花束を」を読んだことがありますか?

アルジャーノンに花束を

「アルジャーノンに花束を」という作品は、ダニエル・キイスによって書かれた作品で、今から49年も前の1966年に刊行された作品です。

日本語訳は、1978年に小尾芙佐(おびふさ)さんにより翻訳が行われており、その題名は誰もが一度は聞いたことがあると思います。

私も、本の題名だけは昔から知っていましたが、このたび初めて読む機会を得ました。

著者のダニエル・キイスさんは、昨年の2015年6月に86歳で他界されたそうですが、そのこともあってか、2015年4月からの金曜ドラマで山下智久さん主演で、この「アルジャーノンに花束を」の作品がドラマ化されたそうです。

番組のサイトはこちら
http://www.tbs.co.jp/algernon2015/

私はドラマの方は見ていませんが、書店で本を購入して、一気に読んでしまいました。

恐らく、この本はこれまで読んだどの本とも違い、読者の脳そのものに対しても、何等かの変化を及ぼすような影響を持っているように思いました。

ある意味で、一気に読まざるを得ないという緊迫感が伝わってきて、電車の中で読んでいたら、降りるべき駅を通り過ぎてしまったこともありました。

お話は、読んでからのお楽しみですが、本の裏にある簡単なあらすじだけをご紹介します。

「32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリー・ゴードン。
そんな彼に夢のような話が舞い込んだ。大学の先生が頭をよくしてくれるというのだ。
これにとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に検査を受ける。
やがて手術によりチャーリーの知能は向上していく・・・
天才に変貌した青年が愛や憎しみ、喜びや孤独を通して知る人の心の真実とは?
全世界が涙した不朽の名作。」

私が小学校の頃だったと思いますが、頭のよさを測るということでIQテストというものを受けさせられたことがありました。今考えると、どうしてそういうテストがあったのかは不思議なのですが、いつの時代においても、テストというもので、人を差別化する教育が行われてきたように思います。

しかし、一方で愛情や思いやりや友情や謙虚さといった人間の能力については、未だに目にみえる形であらわすことはできません。また、生まれつきの知能や障害といったものに対しての理解不足や、そのことによる差別という問題についても、未だに解決されていないように思います。

本書は、このような人間社会の持つ根元的な問題について真正面からとりくんだ画期的な小説であるように思いました。ぜひ、みなさんも読んでいただきたい一冊です。

ヒューマン話し方教室 スタッフより