話し方教室のトレーニングの中で最初に行うレッスンが「人を褒める」というレッスンです。
初対面の人をよく観察して、その人のいいところを褒めることで会話を始めるというレッスンです。
話のキッカケとしてもいいですし、話の中で気が付いた点を褒めることでもいいと思います。
相手と気が合って話ができる状況になるためには、自分のことだけを話すのではなく、相手のいいところを掘り下げながら、相手との距離を縮めていくのがいいと思います。
逆に相手を褒めることで、相手もそういう気配りができる人なんだと思って、謙虚に話をするようになることもあると思います。
しかし、話し方のレッスンで出来ても、実際の会話の中では人を褒めるということは咄嗟にできるわけではありません。
ですから、日常生活の中で人と接する時に、相手との会話で「意識的に相手のいいところを褒めるようにしよう」と心がけることも一つのトレーニングだと思ってください。
人によっては、必要最小限の会話だけでいいとか、要件だけ伝われば問題ないと思いがちですが、そういう希薄な会話だけで続けていると、本当の信頼関係が築けないだけでなく、お互いに相手との距離が離れて大切な話ができなくなることもあります。
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先日、インターネットのニュースを見ていたら、日本の会社は仕事中や休憩時間に仕事に関係ない話をしていることが多く、それが仕事の効率を落としている原因ではないかと外国人が指摘したそうです。
確かに、日本の会社では無駄な話が多いことは反省すべきだと思いますが、社員どうしが個人的なことをお互いに理解することで、チームワークが生まれ、困難な仕事も乗り切ることができる面もあるのではないかと思います。
このあたりは外国人と日本人の考え方の違いもあるのでしょうが、日本では「仕事」=「労働」という捉え方ではないような気がします。
数字には表れない人と人の間にある潤滑油のすぐれた性能が、細やかなサービス、品質の優れた製品、自由で新しい発想を生んでいるような気がするのです。
そういうことから、できるだけ労働の効率を落とさないように心がけながら、仕事の中で人との会話を楽しむ余裕は持ち続けたいと思っています。
ヒューマン話し方教室 スタッフより