卒論の発表は失敗してもいい

卒論発表

学生にとって、卒業論文の発表会というものはとても緊張するものだと思います。

私も、今から何十年も前になりますが、卒論の発表会で大きな失敗をしました。

自分が一生懸命に行った研究について、生まれて初めて発表したのですが、なぜかその前に一度も担当の先生の前で練習することはありませんでした。

他の講座の学生は、リハーサルをやったところもあったようですが、私はスライドを作るのに精一杯で、リハーサルを見てもらう余裕がなかったのです。

いきなり本番という場面でも、昔から度胸はあったので緊張はあまりしなかったのですが、15分の持ち時間を10分もオーバーして話してしまい、かなりのひんしゅくを買いました。

後から、担当の先生に「発表で一番大切なことは、時間を守ることだ。」とこっぴどく叱られました。

自分では緊張はしていなかったと思っていたのですが、時間を知らせる呼び鈴の音が全く聞こえていなかったようで、実際にはかなり緊張していたのだと思いました。

それ以来、社会人になってからも「発表の時間を守って話す」ということを肝に銘じるようになり、振り返ってみると卒論の発表はいい経験になったと思っています。

この失敗で一番学んだことは、いかなるプレゼンであっても、自分が話したい全部を話してはいけないということでした。言い換えると、プレゼンで一番大切なことは、聴衆が聴きたいことだけを話すだけでいいということです。

プレゼンの時間は長ければいいというものではなく、「目的」、「手段」、「結果」というものが聴衆にわかりやすく伝わるかどうかが重要であり、そのためには短い時間で明瞭に話したほうが伝わりやすいことがあります。

会社での報告会などでも、「報告書はA4一枚にしろ」と上司からよく言われたものです。データは緻密で詳細に、でも報告は簡潔で分かりやすくということが、社会で生きていく職業人にとって必要なスキルになっていると思います。

卒業論文の発表内容は、学んできた内容によってさまざまだと思いますが、「失敗しても大丈夫」という気持ちで、元気いっぱいに自信を持って発表するのがいいと思います。