いい会議にする秘訣とは何か?

「朝まで生テレビ」というテレビ朝日の番組を見たことがあるでしょうか?

最近は、司会の田原総一朗さんの体調を考慮してか、頻繁に開催されることはなくなったように思いますが、昔は毎週やっていた時期もありました。

朝まで生テレビは、意見が全く違う論客や政治家を集めて議論する番組なのですが、見ている人はその激しいやり取りや、話し手の個性の強さに戸惑うばかりです。

私が最も気になるのは、人の話を押しのけてまで自分の話の正当性を主張するという姿です。

普通の会社の会議などではこのような激しいやりとりはないと思いますが、敵対するような人が自分の主張を曲げないだけの会議であれば、あまりやる意味はないように思います。

ここで重要になるのが司会の役割です。司会者は出演者に多様な意見を言わせるだけでなく、問題点を探って解決の糸口は何かというところまで切り込んでいく必要があります。

つまり、司会者は中立性を守って、どういう順番で発言を引き出していくか、どうやって議論が深まる方向に持っていくか、ということを考えて会議を進めていく必要があります。

私たちが会議に参加する場合、主催者側にまわるのか、オブザーバー側にまわるのかによって、発言の内容は変わってきます。

また、決まっていることを確認する会議なのか、それとも議論して何かを決めることが必要な会議なのかによっても、発言の内容は変わってきます。

会議での発言で大切なことは、長々と話さないということです。長々と話すと、重要なポイントが見えなくなると共に、他の人の話す機会を奪ってしまうということになります。

その意味で、会議での話し方は、自分の思っていることを誤解のないように簡潔に伝えるということが必要です。また、全体の話の流れに目を向けて、話を脱線させないことも大切です。そのためには、全部を話そうとするのではなく、まわりの人が知りたいポイントに絞って結論と理由を述べていくのがいいと思います。

一方、司会者は、発言の内容をまとめながら、次の発言者へつなぎながら、限られた時間の中で議題を進めていく必要があります。

私も昔は、会社での「何も決まらない会議」を多く経験してきました。このような会議の特徴は、会議の目的がはっきりしていないまま、ただ形式的に集まって話しているだけということです。決まるのは次の会議の予定だけ、という悲しい会議です。

個人的にいつも感じているのは、会議に至るまでの参加者どうしのコミュニケーションや、グループ内で同じ目標を目指しているという気持ちがなければ、その会議には成果が生まれにくいのではないかということです。

また、会議での発言内容を制限したり、始めから結論ありきの会議は、やる意味はありません。このような会議は時間の無駄であり、生産的ではないと思います。

人と人とが話すのは単に会話ですが、会議は複数の人が全体で話しているという形です。また、会議に参加している人は皆平等に発言できる権利を持っています。いろんな考え方を受け入れながら、問題点や疑問点をクリアにして、目的に対してよりよい結論を導くという形になるよう、参加者全員の意識を1つの土台に載せていくという作業です。

「会議では議題を始める前に、その会議を行う意味をきちんと参加者に伝えること」

そういう会議を目指していければと、私も思います。