人と話すためには、自分のアイデンティが問われる
私たちは、初めて会う人に対しては、必ず自分がどういう人間かを説明する必要があります。
それは、自分という人間を相手に信じてもらう必要があるからです。
ところが、1対1というシチュエーションでない場合は、必要以上の説明もせずに、いわゆる「知り合い」ということで、その場をすりぬけてしまうことがよくあります。
例えば、どこかの学校に入ったときや、どこかの会社に入ったときや、どこかのグループに入ったときには、自分 対 大勢の人ということになりますから、必要最低限の説明で「仲間」になることができます。
SNSなども同じように、友達の友達は友達というように、相手のことは全く知らないのに、言葉だけの「友達」が増えていきます。
何かの団体に属することで、自分の所属は安定して、「私は何々の所属です」といえば、多くの人が信じてくれますが、もし、あなたが全く何にも属していない状態になったときは、自分という人間を相手に対して詳しく説明する必要がでてきます。
このような意味から、何かに属することで、「自分自身のアイデンティティは何か」ということを深く考えることなしに、私たちは日々を生きることができますが、一旦、その何かから離れると、自分の存在自体の意味を考えなければならなくなり、大きな不安と闘うことになると思うのです。
大勢の前で話したり、知らない人の前で話すような場合は、自分という人間を理解している人が少ない状況ですので、まずは自分という人間をいかにわかってもらうか、そして、その発言を信じてもらうかという状況が生まれます。
このような状況の中ではじめて、人は自分自身に向き合わなければならない状況になるとも言えます。
この瞬間に、「自分なりの意見や気持ち」を正直に表現できるかどうかが、話し方に関わってくるところです。
ここで「恥ずかしい」という気持ちを克服するためには、自分の中で「正直に開き直る」必要がでてくるのですが、普段から自分を隠して生きていると、この正直に開き直ることができずに、言葉が出てこない状態に陥ります。
このような体験は誰もが経験したことがあると思います。
最初から、自分を正直に表現できる人は稀なんです。
だから、人前で正直に開き直って話すためには、「度胸」というよりは、「自分を即座に出す訓練ができているかどうか」です。
きちんとした準備ができているか?
日ごろの練習ができているか?
いつも本番を想定して考えているか?
このようなことが最も必要なことです。
これは、単に「話し方」だけでなく、「仕事」や「スポーツ」や「イベント」などにおいても同様です。
このような意味で、日ごろから「自分を見つめて、謙虚に考え、努力する」ことが大切です。
しかし、今日から頑張るぞ!と気合を入れても、3日後にはその気持ちは下手ってしまいます。
つまり、「心」は弱く、動きやすく、影響を受けやすいものなので、勝手に変わってしまうことがあるのです。
ですから、「心」を信じるのではなく、「トレーニングを生活習慣にする」ことが必要になります。
そこで、このようなスキームを考えてみてください。
「決心する」→「習慣化するためにはどうすればいいかを考える」→「目標とスケジュールを決める」→「宣言する」
この方法を実践することで、あなたが理想とする多くのことが実現可能となります。
特に重要なのは、「ゴールのすばらしさ」を想像(イメージ)することです。
1度でも、この成功体験を作ることが、あなたのアイデンティティを強くタフにしてくれると思います。
是非、小さなことからチャレンジしてみてください。